受診の判断基準が難しい心療内科
ストレス社会において、うつ病や不安障害は身近な疾病であり、誰でも陥りやすいと言えるでしょう。ただし、単なるうつ状態では心療内科の受診を躊躇う人が少なくありません。うつ状態とうつ病の判別は困難であり、素人が躊躇うのも当然です。単に気分が落ち込んでいるだけで、一晩寝たり親しい友人とお喋りしたりすれば、うつ状態から脱することが可能なこともあります。自力でできる気分転換により症状の改善が可能なうちは、心療内科のお世話になることは必要ないかもしれません。ただし、単なるうつ状態から深刻なうつ病に移行するケースもあり、うつ状態を安易に考えることは避けた方が良いでしょう。ネガティブな思考傾向の人は、気分が落ち込むことが多くうつ状態の認識が難しいため、うつ病の兆候を見逃しやすいと言えます。
どの程度のうつ状態なら受診した方が良いかについて
うつ状態がひどくなると、思考や集中力の低下を伴うことがあります。長時間取り組んでもいっこうに頭が働かないという場合だけでなく、あらゆる事象についてネガティブな考え方しかできなくなるという状況も含みます。不快な感情から逃れられず、不愉快な出来事を何回も思い出してうつ状態から脱することができないということもあるでしょう。こうした状況に陥ると、身体的症状も現れてくることがあります。たとえば、チック症状や不整脈を始め、過呼吸などの呼吸困難や睡眠障害のほか食欲減退など枚挙に暇がありません。このような症状に気付いたら、自分の判断力が低下していることを考慮して自力で何とかしようとせず、早めに心療内科を受診することが望ましいでしょう。